何だったのだろう。 何故沖田は呼び止めた? 自分の部屋へ向かう途中、考えていたが理由は全く浮かばなかった。 咲希は諦めをつけ、羽織に袖を通した。 気分はあまりよくない。 なるべく早くあの日出会った隊士を見つけてここを出よう。 憎い羽織が余計咲希をそうさせた。 大嫌い。 新選組なんて。 ただの人殺し集団。 早く父の仇を。 咲希の頭はそれでいっぱいだった。 はずだった。