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角を曲がって二つ目の部屋。





咲希はとっさにその部屋へと駆け込んだ。







さほど走っていないはずが、息が荒いのはこの羽織のせい。






あの日のことが走馬灯のように頭の中を駆け巡ったのだ。





殺された父の姿。






この羽織を着た新選組。






憎くて仕方がない。







自分がそんな新選組と同じ羽織を着るのに気が引ける。






だが、一応新選組隊士なわけで・・・・