**** 角を曲がって二つ目の部屋。 咲希はとっさにその部屋へと駆け込んだ。 さほど走っていないはずが、息が荒いのはこの羽織のせい。 あの日のことが走馬灯のように頭の中を駆け巡ったのだ。 殺された父の姿。 この羽織を着た新選組。 憎くて仕方がない。 自分がそんな新選組と同じ羽織を着るのに気が引ける。 だが、一応新選組隊士なわけで・・・・