「そこの角を曲がって二つ目の部屋だ」 「え・・・・」 咲希は驚き、ゆっくりと振り返った。 もっと馬鹿にされると思っていた。 瞬間、視界が真っ暗になる。 顔にふわりとした布の感触。 咲希はそれを拭い、その正体を確かめるために土方から目線を移した。 浅葱色。 山形の模様。 背中の『誠』という文字。 羽織だ。