「早く食わねーと飯が冷める」 低い、小さな声で言う。 そしてそのまま咲希を通り越し、用意されている自分の朝食の前へ腰を下ろした。 さっきの近藤の言葉よりも予想外すぎて、無意識に斎藤の姿を目で追っていた。 どういうことなのだろう。 昨日のことは夢なのか、とさえ思えてくる周りの態度。 だが、そんな都合のいい現実なわけがないことくらい咲希には分かっていた。 斎藤の考えが見えない。 咲希は一気に朝食を腹に流し込み、食堂を出る斎藤を捕まえた。 とはいっても、隊服の裾を引っ張っただけだが。