「ちょっと…」





あまりにも急すぎて戸惑う咲希に、男は背伸びを一回すると、元気に言った。






「俺、室宅之助。同じ一番組だから、よろしくな!」






な、なるほど。






だから自分を誘ったのかと納得する。







が、そんな時間は一瞬しか与えられず、早速道場で竹刀を持たせられた。







「はい、昨日沖田さんとしてただろ?組長強すぎだからアンタの強さなんて分かんねーよ。俺と一手しようよ」






邪気の無い笑顔で誘う室に申し訳なさを感じる。






「ご、ごめん私・・・・」






きっともうすぐ追い出される身。