新選組屯所の朝は早い。 午前五時。 小鳥のさえずりさえ聞こえない中、咲希はまだ起きない目を擦りながら布団を畳んだ。 「おー新入り!朝飯前の稽古に行くぞ」 「え?」 聞き慣れない誘いに、どうしていいか分からず立ち尽くす。 「何間抜けな声出してんだよ。早く行くぞ」 うんともすんとも言う間も与えられず、綺麗に片付いた部屋を出て昨日の道場へと連れられて行った。