「だから、私は新選組に入隊した」






言って咲希は涙目で斎藤を睨んだ。






「私は、父上しか頼る者がいなかったんだ････こんなことしても無駄だなんて分かってる。でも、何もしないよりはマシだ･･･」






咲希は唇を噛み締め、必死で流れる涙を堪える。






だが意志とは真逆で、止まることを知らないこの涙に苛立ちを感じる。







もうどうしていいか分からない。





ただこの状況が過ぎるのを待っていると、突然優しい温もりに包まれた。






ビクッと肩が上がる。






斎藤が咲希を抱きしめたのだ。