返事が返ってくるはずもなく、咲希その亡骸を抱きしめた。





その時、静かすぎるこの部屋に、畳の軋むような足音。




それと同時に、一人の男の声が咲希の耳に入る。






「そこで何をしている」





今はそんな小さな声にも敏感だった。





勢いよく振り向き、足元から、頭の先までを確認した。








「し、新選組っ」




直ぐに分かった。




男が着る、浅葱色の羽織、袖口には山形の白い模様が染められていた。




そして、背中にある「誠」の文字が何よりの証拠だった。