「始め!」






静まり返った道場の中、始まりの合図の声だけが響く。





向かい合い、ジリジリと互いの様子を伺う。






「かかってこないんですか?」







「別に僕はいつでも大丈夫ですよ?」







背中に緊張が走る。






そして右足を前に出し、一気に沖田を突いた。






が、






「一本!勝者、沖田さん!」






一瞬のうちに咲希の攻撃はかわされ、そのまま隙をついたのだ。