近くに居た隊士が「はっ」と短い返事をよこし、咲希の体を支える。
正直、凄く怖かった。
自分にとって新選組は場違いだとさえ思った。
自分の考えの甘さに、あまりの情けなさに、涙が出た。
「島原・・・・」
戦闘の中、斎藤の声がはっきりと咲希の耳に届く。
「よく、頑張った。後は俺に任せろ」
言って空気を斬った。
そして、斬り合いの中へ飛び込む斎藤の背中を見送った。
「すみません・・・・・ありがとうございます」
小さく、か細い咲希の声は、誰に届くこともなかった。
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