「こんなところで堂々とサボり?一番組は巡察だってこと忘れてない?」
沖田だ。
相変わらずわざとらしい言い方に忌々しさを感じるが、今回のは咲希が悪い。
黙って「すみませんでした」と頭を下げた。
ただ沖田に連れられていく咲希を見送る藤堂は、「そういえば」と斎藤がいるであろう方向へおずおずと首を回した。
が、そこに斎藤の姿はいない。
辺りを見渡すと、遠くで斎藤の背中が確認できた。
「行動早いな」と呟くと共に、安堵してしまった。
そして咲希のことを考える。
「あんな風に言われたら、黙っとくしかないよなー・・・」
空に手をかざし、眩しい太陽を遮ってそう吐いた。