「さっきの和葉、ほんと笑っちゃったよ」
メガホンをポンポン叩いて笑う華乃。
「もー、いいってば」
自分の出る競技を全て終えたわたしと華乃は、早速、華乃のお目当の男の子の元へと向かう。
5組だから、……先生のクラス。
ドキドキはもちろんしてるけど、今なら言えそうな気がする。
さっきの、ハードルを跳んだときみたいに勢いよく、ぴょん、って。
そんな感じで。
「和葉!はやく、はやく」
先を歩く華乃が手招きをする。
急かされたわたしが慌てて左足を一歩前に出したとき、
「……わっ、」
ほどけたスニーカーの紐をもう片方の足で踏んでしまっていた。
「ちょっと待って」
その場にしゃがんで紐を結び直すわたしを置いて、華乃はサッサと先に行ってしまう。
「もー、」
ついでだから右足の紐も結び直そうと、紐に手をかけたとき。
「ぎゃはははは」
「あははははは」
「きゃーははは」
なんだか耳障りに感じる笑い声を響かせ、数名の女子生徒がわたしの横を通り過ぎていった。



