夏休みが終わり、学校での生活リズムを少しずつ取り戻してきた頃。
「和葉ちゃん。職員室、ついて来てもらってもいいかな?」
両手にノートを10冊ほど抱えたクラスメイトに声を掛けられた。
1年生の部員の部活動日誌を、彼女が代表して顧問に届けに行くという。
「職員室の前まででいいの。だめ?」
「ううん。いいよ」
「よかった」
職員室までの道のり。
中学からテニスを続けているという彼女は、夏休み中も部活に励んだようで、
「日焼け止めを塗っても、どうしても焼けちゃうんだよね」
と言って、白いシャツからのぞいた腕を見てため息を吐いた。
「わたし、赤くなって大変なことになるから、運動部はムリ。日焼け止めの消費量、すごいよ」
「あはは。そうなんだ。和葉ちゃんの肌、白くてうらやましいな、っていつも思ってた」
「それはどうも」
運動部どころか文化部にも所属していないわたしは、楽しそうに話をする彼女をうらやましく思った。



