償いノ真夏─Lost Child─


と、同時に禁忌に触れたような背徳をおぼえる。

背筋がぞわりとした。

その感覚が、どんな意味を持つのかは分からない。

ふいに指先に冷たいものが触れた。

「……小夜子ちゃん」

小夜子の手は、小さく震えているようだった。

「蛇が……」

「え?」

小夜子の声が、祭り囃子に吸い込まれる。

俯いたまま、小夜子は真郷の手を強く握った。