小夜子の笑顔は、何度見ても新鮮で、美しいものだ。

それは少年である真郷の目に、まるで貴重な財宝のように、あるいは滅多に見られない虹のように映った。

「あの……朝霧さん、前に俺が思い出の男の子に似てるって言ったよね」

「あ、あの時は急に変なこと言ってごめんなさい。でも……うん、似てる」


そう肯定して、小夜子は眉を下げた。

「でも知らない人に似てるなんて言われたら嫌だよね、無神経だったよね」

弁解するような小夜子の声は、僅かに震えている。

真郷は首を振った。

「違うよ。嫌とかじゃないんだ。ただ、確かめたくて」

「え?」

目を丸くして見つめてくる小夜子に、動悸が増した。

一呼吸おいて、真郷は言葉を繋いだ。