驚いたように見開かれた瞳には、はっきりと夏哉が映っていた。
「コイツの一件で、アンタの事ちょっとは見直したのに。あーあ、期待はずれだよ」
「そんなの……」
勝手にすればいい、と言おうとしたのに。
夏哉の表情は、至極優しいものだった。
その面影は、大好きな父と繋がる。
「それでも、オレはアンタに感謝するよ。なんか、色々事情があるんだろ?そういうのはよくわかんねぇけど……」
夏哉は真郷の肩を掴むと、視線を合わせた。
「真郷がコイツを助けてくれたって事実は変わらない。……だからさ」
肩を離れた夏哉の右手は、真郷の前に差し出される。、
「今日から、アンタはオレの親友だ。何かあったら助けになるし……姉ちゃんのことも、協力する」
ニコリと微笑んだ夏哉の口から、八重歯が覗く。
「夏哉くん……」
「夏哉で良いよ。な?」
「ありがとう、夏哉」
繋がれたその手は温かくて。
真郷は無意識に、涙を流した。



