Tシャツにハーフパンツというラフな服装のまま、真郷は母屋へ向かった。 離れと母屋を繋ぐのは、中庭を通る吹き抜けの廊下。 夏は風通しが良いけれど、冬はさぞ寒いだろうな、とぼんやり思う。 長野の寒さは、東京とは比にならない。 考えているだけで、今は真夏だというのに寒気までするのだから、不思議なものだ。 ──台所に着くと、テーブルに朝食が用意されていた。 この家に来てからほとんど和食しか口にしていないが、今日は珍しく洋食だ。