呆然とその姿を見送っていると、控え目に声を掛けられる。 「あ、あの……」 「なに?」 「夏哉が深見くんに突っ掛かるの、私のせいなの」 「朝霧さんの?」 「うん……深見くん、私がずっと探してた、思い出の男の子に似てるから」 そう言った彼女の頬は、僅かに桃色に染まっていた。