「ナツ……怖いよ……」 小夜子の言葉は、誰の耳にも届かなかった。 傍目に、父が村人から金を受け取っている姿が見えた。 最初から、父にとって自分など、ただの金稼ぎの道具にすぎなかったのだ。 暗い、暗い絶望が押し寄せる。 「たすけて……真郷くん……」 求めた光が遠ざかるのを感じながら、小夜子はそっと、その暗闇に身を預けた。