木造の古めかしい校舎は、いくらか劣化が認められる。 廊下は歩くたびにギシギシと鳴いた。 「ここだよ」 突き当たりの教室で、教師は歩みを止めると、真郷を見た。 「それじゃあ、合図したら入ってきて。自己紹介、よろしくね」 黙って頷くと、真郷は教室へ入っていく教師の背中を見つめた。