「ぼく、どこにもいかないよ。あしたも、いっしょにあそぼ?あさっても!だって、トモダチだもん」 「……ほんとう?」 「うん。だから泣かないで」 その言葉に安心して、小夜子は頷いた。涙は、いつのまにか止まっていた。 「やくそくよ。あしたも、あそぼうね!」 小夜子は笑顔で手を振ると、少年と別れた。途中で振り向くと、少年は変わらず、小夜子を見送ってくれていた。 けれど夕陽が滲んで、表情は読めない。 “きっとまた明日” また明日になれば会える。そう、幼い小夜子は信じていた。