償いノ真夏─Lost Child─


その言葉はけして偽りではない。真郷を信じきっているからこそ、小夜子は余計に苦しくなる。

「本当に……どんなことがあっても……?」

「うん」

「迷惑じゃ、ないんだよ……ね?」

「うん、もちろん」

何度も何度も確認して、ようやく小夜子は落ち着きを取り戻したようだ。

「も、大丈夫……。ありがとう……」

身体を離すと、今度は真っ赤になって俯いた。

そそくさと雪に横たわる買い物袋を拾い上げる。

「──い、行こっ!」

空いた片手で、小夜子は真郷の手をぐいっと引っ張る。

耳まで真っ赤なところを見れば、照れ隠しをしようとして逆に照れているのだ。

それが余りにも可愛らしくて、真郷は思わず吹き出してしまった。