* 今日も言えなかった。 今日も、また。 今日も──…… 同じ日々を繰り返して、同じ後悔を積み重ねていく。 日の当たらない縁側で、真郷はぼんやりとしていた。 雪解けは始まっているが、春にはまだ遠い。 隣に寄り添う九郎の体温だけが暖かい。 村の四季は穏やかで、時間がこのまま止まってしまうような気さえする。