恐らくこれは、小夜子の本心なのだろう。 そこまで信じきられていると、余計に言いたい言葉が出てこなくなる。 真郷はなるべく、焦りが顔に出ないようにした。 言わなくては、と心ばかりが急いている。 けれど、言ってしまったら。 それはこの、小夜子の真っ直ぐな言葉に対する裏切りになるのではないだろうか。 「俺は、これからも二人の味方だよ」 ──それでも神様は、真郷に残酷な言葉を選ばせるのだ。