「深見の婆さん、本当に『堀川』って言ったのか?」 真郷の肩を掴むと、夏哉は声を忍ばせて問う。 「本当だよ。確かに言ってた。その後、電話も掛けてたみたいだし……夏哉?どうしたんだ、顔色が悪い」 夏哉は掴んでいた手を離すと、目を伏せた。 「堀川って苗字は、この村には一軒しかない。でも、もしオレの予想が当たってるなら……もう忘れた方がオレ達の為かもしれない」 心なしか、夏哉の声は震えていた。 「それってどういう……」 真郷が言い終える前に、夏哉は口を開いた。