庭先で九郎が吠えている。 真郷は倒れ込むように、布団に身を投げた。 ケケ…ケケケケケ ケッヒャ…… ケヒヒヒヒヒヒ…… 風の音に混じる、不快な声。 肌に触れる温い空気。 そのまま誘われるように、真郷は深い眠りに落ちていった。