「……怖かったろ。さ、部屋へ行ってお休み」 とん、と肩を押される。 言われるままに、真郷は離れの自室へ向かった。 祖母はどこかへ電話を掛けているようで、時おり怒声の混じった会話が廊下に漏れていた。 恐らく、『堀川』へ掛けているのだろう。 真郷は朦朧とする意識の中でそう思った。 ひどく疲れて、身体が重い。