「さっき、神社で……変な女の人に会ったんだ。なんか気味の悪い笑い方しててさ……」
その一言を聞いただけで、祖母は驚愕したように大きく目を見開いた。
「忌み娘(いみご)に会ったんか!?」
普段出さないような大声で、反射的に怒られると感じたが。
祖母の反応は、予想と全く違っていた。
「よく……よく無事じゃったなぁ……」
祖母の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
それから抱き締められ、真郷は何だか力が抜けてしまった。
「真郷、当分は神社に近寄っちゃいかん。あれに会うのは良くないことじゃ」
強い口調で戒められ、真郷は何かとんでもない事に関わったような気になった。



