理由もなく、電話をかけてくる相手を僕はすごいと思う。 それも相手が大した返事をしないとなれば余計に。 それは僕と相手の事だけれど。 完治するまでの間、どうでもいいような長話を彼は毎日のように僕にする。 「だって、寂しがってるかなーって」 別に、と返すと相手は楽しそうに笑った。 ようやく全快した頃、約束通りに僕は彼の後ろに居た。 初めての体験に、夜空なんて見上げる余裕はなく、彼をすごいと思える事がまた1つ増えた。