「でも、なぜ僕らを助けたのですか・・・?僕を、幕府に差し出せば。大金を得ることができるのではありませんか?」

そうだ。

普通の人なら、そう思うだろう。

「ふっ!わしはぁ、罪のない人を殺したくはないぜよ」

にかっと笑う、龍馬さん。

「僕とは、正反対の人です。罪のない人は、殺したくない・・・か」

微笑んだ。

何に微笑んでいるのか。

わからない。

ただ、この人と僕は、気が合いそうに、ない。

「わしのともにも、おまんみたいな人がおるぜよ」

「僕のような・・・?」

彼の名は、岡田以蔵。

武市半平太殿のためにと、人を殺め続けた人間。

僕と、同じだ。

「・・・岡田、以蔵・・・」

会ってみたい。

彼に。

岡田以蔵に。