ピアニストと野獣

「━━っせぇな!急に叫ぶなよ。」


「あ…。ごめん。」


「もう、いいよ。」
そう言ったら私のもとを去っていった。


━━やっと行ってくれたよ…。


「なーに安心してんだよ。」


後ろから声が聞こえたから私は振り返った。


「げ…。」


西園寺。


「別に何でもないし。」


私は意味もなく素っ気なく返した。