ピアニストと野獣

何が起こったのか全く整理が着かず、私は放心状態だった。


西園寺は、そんな私をお構いなしにことを進めていく。


「分かった?だから、俺と踊るん━━━」
「嫌だ!!」


いまいち状況が理解できていなくても、そこだけはちゃんと返事した。


「――別に踊るくらい、いいじゃん。」


拗ねた感じで私に言ってくる。


━━踊るのは別にいいんだけどさぁ……



「私の命の問題だからダメ。」