「沙羅…。」


「ん?何?」


突然陸に声をかけられた。

見上げると、その顔は真剣だった。

そして膝まずき、私の右手を軽く握った。


「今晩、一緒に踊ってくれませんか?」


「――えっ…。」


私は突然の誘いに呆気にとられていた。


「俺も一緒に踊ってくれませんか?」


今度は空が、私の左手を握り、同様の格好をして聞いてきた。




━━これは、どういう状況なんだ…?