ピアニストと野獣

「そんなにはしゃいだら転けるぞ。」


「転けないもん!」


冷静に突っ込まれた私はくるりと振り向き、たくさん嫌みを言おうとした。


「そんな子供みたいにっ……」


ドサッ!


「――った!!」


足が捻れて転んでしまった。


案の定、西園寺の顔を見るとニヤッと笑っていた。


「何が子供みたい?」