ピアニストと野獣

私は小さくため息を吐き、話し出した。


「――自分でもよく分かんないの…。
空を見てるとさ、すごくイライラしてくるの。」


「えっと…。それはつまり……」

西園寺が言い終わる前に、私が割り込んだ。


「あー!!私の班の子がいない!」


回りを見渡しても誰人りとしていない。


――まさか


「はぐれた?」


「そうだね。」


ど、どうしよう…。