ピアニストと野獣

「そうだよ!」


――人は見かけによらないものだ…。


こんな真面目な子が、あんな小悪魔を好きになるなんて…。


「――空はやめた方がいいと思うよ…?」


「えっ…?」


思わず本心が口から出た。

戸惑う稲葉さんを尻目に続けた。


「あいつ子供だし、すっごい気分屋!機嫌よかったと思えば、突然悪くなるんだよ!?――でも…」


――でも…


「あのはにかんだ笑顔は可愛いかもね!」