ピアニストと野獣

西園寺たちと別れ、空と一緒にクラスの棟に帰っていた。


「お前も物好きだよな。」


「何で?」


突然空が喋りだした。


……物好き?


私の様子を見て、空が続けた。


「だって、普通俺らの気まぐれのケンカをまともに解決しようとするんだもん…
てか解決したけど…。」


頭をかきながら最後に、はにかんだ笑顔を私に向けた。



ドキッ!


――って、何!?


私は空から顔をそらした。


「べ、別にそれは、三人が仲が悪いとダメだと思って…。」


――思わず照れちゃったよ…。