ピアニストと野獣

「…。」


「…。」


長い沈黙の中、私は黙々とお弁当を食べていた。


しかし、こんな沈黙に堪えられなくなった西園寺知秋が喋りだした。


「ねぇ、何でピアノ弾きだしたんだ?」


「……西園寺知秋には関係ない。」


そう言って、私はお弁当を片付けてピアノに向かった。


ガシッ


「!?」


私は西園寺知秋に手首を掴まれ、身動きができなくなった。