ピアニストと野獣

「お弁当あるし、ピアノ弾きたいから無理。」


そう言って、私はカフェテリアをあとにした。


「明日は一緒に食べような~!」

後ろから西園寺知秋の叫び声が聞こえる。


「…。」


嫌だ。


私は教室に戻り、楽譜とお弁当を持って音楽室に向かった。


――こう言うときこそピアノだよね!