ピアニストと野獣

「昨日はごめんな…。無神経すぎた。」


真剣に謝っている。


――それは許すとしても…。


「フルネームで呼ばないで!」


「じゃあ、俺のこともフルネームで呼ぶな!」


「…分かったよ。」


私はそう言って、その場を去った。


と言うか、去りたかった。


あの人混み!


無理!