ピアニストと野獣


「あ~…。もう!」



私は両手で顔を覆った。



もうコイツに勝てない気がする…。


そう思い、私は観念した。




「好きだよ。西園寺のことが…。」



ちゃんと素直になったのに西園寺ときたら――…




「ぷっ!…知ってるし。」



なんて笑いながら言うの。



ホント最悪。



「もう!笑わないで!……だから、その…。」



ここまできて、どもっている私を見て西園寺は私を抱き締めた。




「ははっ。良くできました。…俺の彼女♪」




「―――っ…!」