ピアニストと野獣


うるっとした瞳を私に向けて、発した言葉が



「ごはん食べ損ねた…。」



だもんね。


さっきの王子スマイルどこ行った?


まるでアホ丸出し…。



全く…



「私のお弁当半分こしよ?」



「沙羅の…お弁当!」



たちまちパァッと笑顔になった。



「ははっ!ホント…。西園寺って見てて飽きないよね。」



クスクス笑ったら西園寺の眉間にしわが寄った。



今度は不機嫌になった?



そう思いながら私はお弁当を広げた。