ピアニストと野獣


「な、何で頭突きしたの!」



おでこを擦りながらにらみ上げた。



「だからさ…」


「ん?」



急に視界が真っ暗に…。


何故か西園寺に目を手で覆われたみたい。



「何なのよ~!」



手を剥がそうとしても力が強すぎてピクリともしない。


するとフワリと左顔に気配が…。



「そんな顔されたら襲っちゃうよ?」


「―――!!」



チュッ!



「――なっ!」



左頬にキスをされたら途端に視界が明るくなった。



「西園寺のアホ!」