ピアニストと野獣

西園寺知秋がまた近寄ってきて、肩に手をおいた。


「気にするなよ!氷の女じゃないことは俺たちが知ってるし…。」


プッチーン。


私は肩の手を払い、西園寺知秋の胸ぐらを掴んで顔を引き寄せた。


「あんたに言われたくない。西園寺知秋!」


静かに呟くと手を離し、私は自分の鞄と楽譜を持って、教室を出た。




――何なのあいつ!!