私がそう言うと、静かに話し出した。
「沙羅ちゃん。実は私、あなたのお母さんとは幼馴染みだったの。」
「えっ?」
「最近は連絡取り合ってなくて、お互い同じ時期に子供ができたとしか聞いてなかったの。」
お母様は西園寺グループの会長でバリバリに働いてるし、お母さんも世界を飛び回ってたしね…。
「ある日沙奈の訃報が私の元に届いて頭が真っ白になった…。そしてお葬式に出たときあなたを見付けたの。」
沙奈とは私のお母さんの名前。
私は放心状態で誰が出席していたかなんて見てなかったからな…。
「だから何で婚約に…?」
「それであなたを養子として迎えようと思ったの。そしたら知秋がね…。」
そこまで言うとお母様は西園寺の方に目を向けた。
私も目を向けるとニヤッと笑っていた。
「俺の嫁にしたら?ってね♪」
「ははっ…。」
どう言う発想なのよ…。



