ピアニストと野獣


「うん!お前らはうまくいくよ!」



空は私の頭をポンポンと撫でた。



「でも婚約するじゃない…。」



「は?お前何も知らねぇの?」



ブスッとする私にあきれ顔を向ける空。



な、何かあるの?



そんな顔をしたら陸が空に飛び付いた。



「それは秘密だよー?」



「え?」



ポカンとする私を尻目に陸がコソコソッと話すと空が
「なるほどー…。」
なんて言っている。



――ついていけないんですけど…。



「ねぇ、何なのよ!勿体ぶらないで教えてよー!」