ピアニストと野獣



『――それでは西園寺知秋様の誕生パーティーを始めさせていただきます。』



「ほら西園寺!早く行かないと!」



「お、おう!また後でな!」



そう言って西園寺は私の頭をくしゃってしていった。




「―――お前ら仲良しだな!」



「え?……普通…だよ?」



空が腕を組んでニヒヒッと笑う。



仲良しに見えるならいいんだよ?

むしろちょっと嬉しいよ。



なんて考えていると空が私の顔をまじまじと見てきた。



「な、何よ…。」


あまりに見られるので思わず後ずさってしまった。



「もしかして、知秋が好き?」



「――――!!」



こういう系の話しには素直な反応をしてしまう私は目を見開いて、口をパクパクしてしまった。



……もうバレバレじゃない。