「合った!……っけ…?」
私のおとぼけにまんまと引っかかってくれた西園寺は腕を組んで考えている。
……ははっ。
天然君か?
何か悩むのがアホらしいと言うか…。
「婚約したの?」
「は?」
『―――!!』
私の突拍子もない発言に西園寺は驚き、ポカンとしているが回りの女の子が一斉にこちらに目を向けた。
「えっと…。正式には決まってないけど、婚約することになる人は決まってる…。沙羅、それ以外に何も聞いてない?」
罰が悪そうな目をする西園寺。
何でそんな目をするのよ…。
「聞いてないよ!…アホ!!」
私は嫌になって思わず走り出してしまった。
――何さ何さ!!
あの目は!



