大ちゃんは変な息の吐き方をしたかと思ったらクスッと笑った。
「なんかフラレる気がしてた。」
明るく聞こえるけど、どこかさみしげな声。
――やっぱり傷付けちゃった…。
「気にするなよ?俺は平気。ダメ元で言ったんだし。」
そう言って私の肩をバシバシ叩く。
「ちょっ!…叩き過ぎ!」
「だから…。」
そこまで言ったら私の両肩を掴んで私を180度回した。
「え?な、何?」
「気にせずに行きな?」
優しい声。
それとは反対に私の肩を掴む手に力が入っている。
「―――うん…。ありがとう。」
両肩に乗っている手を優しく下ろした。
「バイバイ…。大…輝。」
「あぁ、じゃあな…。沙羅。」
最後に触れた大ちゃんの優しさ。
とても温かかった――――