―――あ…。 思わず声を出してしまったが、大ちゃんに返事をしないと…。 うまい具合に二人きり。 西園寺が気をきかせた? と、とりあえず大ちゃんに返事をしないと…。 「――だ……大ちゃん!」 花火に夢中になっている大ちゃんに意を決して呼んだ。 「ん?何?」 笑顔で振り向く彼。 それを見るだけで胸が苦しい。 「あ……あの…。」 どうしよ…。 次の言葉がなかなか出ない…。 覚悟を決めて声にしようとしたら―― 「あぁ!!」 「え?な、何?」